仕事があって良かった。

目の前の問題に集中していれば考えなくて済む。
仕事はする方だ。
三人で働いているが、若手の2倍、もう1人の1.5倍働いている。最近は、「仕事好きですね~」などと言われたこともある。事実無根だ。いつも出来れば仕事したくないし、するなら早く終わらせて家に帰りたい。毎朝、今日一日何とか乗り越えよう、今日が始まれば必ず終わることを信じよう、と、自分を叱咤して仕事に臨んできた。終われば、やっと終わったと安堵の溜め息を毎日ついてきた。嫌々やってもそれなりに結果を出せることが、自分の長所だ。
でも今日は違う。仕事が有難い。今ある他人の問題解決に心血を注げば時間がすぎる。隙を見せれば、襲って来る。センター試験のニュースを眺めれば、一番上の子供の受験の時には、妻はもういないかもしれない、とか。襲われれば胸があふれる。隙が無いように仕事を組み立てる。
当直が終わらないで欲しい。
仕事があって、未来を考えなくて済むことが、楽だ。
妻はそうでは無い。

今日がやっと終わる、から、今日がもう終わってしまったにかわった。
今日は有意義に時間を使えただろうか。仕事に逃げて大切な時間を無駄にしてしまって無いだろうか。